NPO法人 いちかわ電力コミュニティは、市民によるエネルギービジネスの実現を目指す、千葉県市川市発の団体です

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ドイツ・コースフェルト市 成功の秘訣はコミュニケーション、透明性、参加

2022年02月03日 先進事例紹介

こんにちは、隣の茨城県から参加している会員の原田です。

今日(1/21)見ていたニュースで、取り上げられていたドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州にあるコースフェルト市(人口約3万6千人)を紹介します。

この町では昨年大規模な風力発電施設が開設されました(昨年開設した施設としてノルトライン・ヴェストファーレン州で最大、ドイツ全体では第3位)。

近年ドイツでは風力発電施設の開発が進んでいません。その理由の一つに近隣住民の反対があります。

多くのドイツ人は「風力発電自体は良いけど、我が家の近くにはいらない」と考えているようです(ニュースの受け売り)。

このような風潮は風力発電に限らず日本でも見られますね。例えば原発は必要だけど首都圏にはいらない、とか。

実際騒音もあるでしょうし、景観も損なうかもしれませんので、ある程度は理解できます。それで、地域住民などが反対運動に参加したり裁判を提起したりしています。

そのような状況の中この施設の建設には住民からの反対はほとんど無かったそうです。その成功の理由を市長は「コミュニケーション、透明性、参加」と表現していました。

具体的には、計画の初期の段階から住民との対話を進め理解を得たこと、透明性の確保に努めたこと、そして住民が出資という形で参加したこと。

施設の所有権の25%は土地所有者である農家、最近日本でもたまに話題に上るいわゆる都市公社(Stadtwerke)が25%、そして市民出資で50%(利回り6%)だそうで、利益が一部の人間or企業に集中するのではなく多くの市民に還元される仕組みだそうです。

市長によると、昨年13基の風車が発電を開始し、電気の自給自足を達成したそうで、このプロジェクトはこれからのドイツで風車建設のモデルになれる、と話していました。

最後に環境問題と直接は関係しませんが印象に残ったことを一つ。

都市公社を通じてこのプロジェクトに参加した近隣のボルケン市の市長がコースフェルトの市長と並んで(開設の?)式典に参加していましたが、二人とも女性でした。

しかもコースフェルト市長は30代前半!で、ボルケンの市長60代前半。こういうことに感心するのは僕が日本人だからでしょうが、日本でももっと女性と若者が活躍できる環境ができるといいですね。なお、いち電では理事長と副理事長の一人が女性です!

ドイツ語ですが関連するサイトのURLを記載しておきます
施設のサイトはこちら↓

市の公式ホームページはこちら↓
https://www.coesfeld.de/startseite/

※事務局からのお詫び

ご寄稿頂いてから日数が経ってからのアップとなり申し訳ございませんでした。お詫び申し上げます。